【旅人の世界史①】旅人の元祖は700年前のイスラム法学者?!

こんにちは!自称世界史の鬼、たいやき(@taiyaki_tabi96)です。

 

「旅人の世界史」と銘打って、バックパッカー的目線で世界の歴史をみていこうという、この自前企画笑

世界史はバックパッカーの必修科目だと考えているぼくの、ささやかな世界史普及運動?だとでも思って、サラッと見ていただければと思います!

 

記念すべき第一回は、「世界中を周った旅人の元祖はだれなのか」にフォーカスします。

 

 

1 700年前に世界を旅したのはイスラム法学者

 

タイトルにもあるように、旅人の元祖はこのお方!

 

…なんかパッとしない絵ですね笑

 

もう一枚載せます、ほいっ

 

(…これがエキゾチックイケメンってやつか)

こちらがモロッコ出身のイスラム法学者、イブン=バットゥータ!!

 

イブンという名前ですが、彼はアラブ人でもペルシア人でもなく、ベルベル人という民族の生まれです。

彼は約700年前、現在のモロッコに興ったマリーン朝で活躍していたイスラム法学者(ウラマー)であり、イスラム世界では今なお、「イスラム教徒を代表する大旅行家」と呼ばれていて、その当時では考えられなかった、世界各地の周遊を成し遂げました。

 

 

イブン=バットゥータは世界を”周遊”した人であって、”世界一周”をしたわけではないので、そこだけまちがえないようにしましょう!

じゃあちなみに、世界で初めて世界一周を達成した人物は一体だれでしょう。

 

実はこれいろんな説があるんです。

とくに有名なのは、大航海時代に活躍したポルトガル人のマゼランなんですが、考えようによっては結構微妙なんです笑

というのも、たしかに教科書的にはマゼラン率いる艦隊が世界一周航海を達成したんですが、 マゼラン本人は航海終盤に上陸したフィリピン・マクタン島で、原住民の長であるラプラプ王に殺害されている んです。

つまりマゼラン艦隊は世界一周を達成したけど、マゼラン本人はその時すでに死亡しており、艦隊クルーたちがマゼランの意志を胸にポルトガルに戻ってきた、というのが正確な筋書きです。

 

”グループで”世界一周と考えるならマゼランだけど、”完全個人”となるとまた別かもしれませんね。

 

photo by googlefree

 歴史に残っているグレートトラベラーは艦隊や船団、キャラバンなど大規模な随行遠征というパターンが多い ので、今のぼくたちがイメージする「個人で世界一周」達成者を探すのはめっちゃ大変そうです笑

 

…話がそれすぎました、イブン=バットゥータに戻りましょう笑

 

2 どんなルートの旅だったのか

地図で見るとこんなルート。

 故郷モロッコを出発して北京まで到達 しています。

現代みたいに世界的な平和もなければ情報もほとんどない時代に、このスケールの旅をしたのは凄まじいです笑

700年前といったら、神聖ローマ帝国やオスマン帝国、元や高麗、インカ帝国などが群雄割拠していた頃。

各地で降りかかる危険をかいくぐりながら、まさに命がけの旅だったに違いありません。

 

・タンジェ(モロッコ)出発
⇒チュニス(チュニジア):地元女性と結婚
⇒カイロ(エジプト)
⇒ダマスカス(シリア)
⇒メッカ・メディナ(サウジアラビア):聖地巡礼を果たす
⇒イスファハーン(イラン)
⇒バグダッド(イラク)
⇒マスカット(オマーン)
⇒デリー(インド):現地法官になる
⇒スマトラ島(マレーシア)
⇒広東、北京(中国)
⇒エルサレム
⇒アンダルシア(スペイン):ジブラルタル海峡渡る
⇒マラケシュ、ファース(モロッコ):周遊完了

 

途中往復を繰り返している場所(メッカーカイロ間など)もありますが、超アバウトに並べるとこんな感じです。

イブン=バットゥータの旅程については、『三大陸周遊記』という本に書かれています。

 

 『三大陸周遊記』はイブン=バットゥータの旅話を聞いた人が書いた本 なので、イブンさん本人が書いたものではありません。

なので本当に行ったのかどうか怪しい地域もあるそうです笑

 

 

3 旅から帰ってきてやったこと

現代のぼくたちにとっても、「旅を終えたらその先何をするか」って大きなテーマになりますよね。

では前人未到の偉業を成し遂げたイブン=バットゥータは、その壮大な旅を終えたあと、一体何をしたのでしょうか。

グレートトラベラーなイブン先生にお聞きしましょう笑

 

彼はモロッコに帰郷して1週間も経たないうちに、また旅へと出ました(旅人だねぇ笑)。

その行先は現在西アフリカにあるマリの前身・マリ王国のトンブクトゥ。

 

Timbuktu(Mali)

 

トンブクトゥは世界文化遺産にもなっている、由緒正しき文明遺構です!

どうやらイブンさんは、サハラ砂漠の先にあると言われるイスラム国家の視察に行きたかったようで、マリを発ってニジェールまで行ったようです。

そうして西アフリカまで旅して再びモロッコに帰郷し、ようやく落ち着いたといいます。

もともとイブンさんは当時圧倒的マイノリティで社会的地位の高かったイスラム法学者(ウラマー)という肩書きを持っていたので、おそらく周遊後はイスラム教の教授やコーランの解釈に努めたのではないでしょうか。

 

このように、世界の旅人の元祖は只者ではなかったということですね笑

個人的な話ですが、来年世界一周するときに、イブン=バットゥータの訪れた都市にも行く予定なので、ますます歴史の深みを楽しめそうです。

 

歴史は旅の中で思わぬ関わりや実用性を持つ、その可能性が常にあると考えると、歴史という分野への見方もまた少し変わってくるのではないでしょうか!

 

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